柑橘類の用土、あなたは正しく選んでいますか?
柑橘類は、温暖な環境と、有機質に富んだ、排水のよい土壌が栽培に適しています。そのため、一般には、赤玉土7:腐葉土3の配合土が用いられます。
しかし、みかん山をイメージすると、何か足りない気がします。みかん山の土は、赤玉土や腐葉土だけでなく、小石や砂利なども含まれています。
道法正徳さんの「Doho Style」では、みかんの用土に石ころを混ぜることで、根の張りを促進し、土壌の水はけを良くし、根腐れを防ぐ効果があると唱えています。
ある日、コメリさんの園芸コーナーで果樹・花木用土の配合表に軽石があるのを見つけ、『これだ!「Doho Style」に近い』と判断し、コメリさん推奨の果樹・花木用土の配合を試してみました。この配合用土は、赤玉土、腐葉土、鹿沼土、バーミキュライト、軽石の5種類をバランスよく配合しており、みかん山の土に近い環境を再現しています。
私は、実際に、この用土でレモン、ミカン、キンカンを鉢植えで育てています。
本記事では、コメリさん推奨の果樹・花木用土の配合で、柑橘類の用土の配合、鉢植えのやり方をオリジナル写真満載で紹介しています。
鉢植え柑橘類の鉢増しの理由
2023年4月上旬
・12号鉢では樹が生長して鉢が窮屈そう
・12号鉢では強風が吹くとこける
・12号鉢では、夏場に朝一度の水やりでは水切れする
上記の理由により、12号鉢のレモンとミカンとキンカンを果樹用の45L鉢に鉢増した
![]() | ![]() |
コメリさん推奨の果樹・花木用土の配合と各用土の説明
果樹・花木用土の配合割合
・赤玉土小粒:2
・腐葉土:3
・鹿沼土小粒:2
・バーミキュライト:2
・軽石:1
各用土の説明
![]() |
赤玉土は、関東ローム層の火山灰土の一種で、黒土より下の層にある赤土をふるいにかけたもの。粒の大きさによって大粒、中粒、小粒などがある。水はけ、通気性、保水性がよい。しかし粒が崩れにやすい。 |
![]() |
腐葉土は、落ち葉を腐熟させたもの。養分保持力が大きく、保水性、通気性がよいので他の土と混ぜて使う。 |
![]() |
鹿沼土は、関東ローム層で採取できる土で、赤城山が噴火したときできた軽石が風化したもの。保水性と排水性だけではなく、通気性にも優れた特徴を持つ。粒の大きさによって大粒、中粒、小粒、細粒などがある。赤玉土より粒が崩れにくく形を維持しやすい。粒が大きいほど水はけがよく、小さいほど水持ちがよくなる。 |
![]() |
バーミキュライトとは、蛭石を1000℃以上の高温で焼成した無菌の土壌改良材。 多孔質で非常に軽く、保水性、通気性、保肥性がある。PHもほぼ中性。 |
![]() |
軽石は、溶岩が急に冷え、ガスをふき出してかたまったもの。多孔質で非常に軽く、水に浮き易く、排水性や通気性があるので、土に混ぜると土壌改善できる。水分をあまり必要としない植物を育てる場合は、土の代わりに軽石を使うことができる。鉢底石が一般的な使い方で、鉢に土を入れる前に鉢底に軽石を敷く。 |
↓ | |
![]() |
果樹・花木用土の配合60リットルに対する元肥
元肥に油かすとカルシウムを使う場合
赤玉土小粒12リットルと腐葉土18リットルと鹿沼土小粒12リットルとバーミキュライト12リットルと軽石6リットルを加えた60リットルの果樹・花木用土に対して
・油かす:200g
・カルシウム:200g

元肥にIB化成101010を使う場合
IB化成肥料は緩効性で約3か月の効き目がある。肥料がコーティングされているので、根に直接肥料が触れても障害を与えない。
IB化成肥料を元肥として与える量は、用土10リットルに対して、IB化成肥101010を25gが目安。
赤玉土小粒12リットルと腐葉土18リットルと鹿沼土小粒12リットルとバーミキュライト12リットルと軽石6リットルを加えた60リットルの果樹・花木用土に対して
・IB化成101010:150g(10リットル:25g=>60リットル:150g)
![]() | ![]() |
実際のレモンの鉢増し工程(12号鉢から45リットル鉢)
2023年4月上旬
果樹用の45リットル鉢に鉢底石を敷く
![]() | ![]() | ![]() |
木槌で12号鉢の縁をたたいて苗を抜く
![]() | ![]() |
45リットル鉢に植え替えたら鉢を持ち上げて地面にトントンして用土を締める
![]() | ![]() | ![]() |
蒸散を防ぐため45リットル鉢にマルチをする

温州ミカンの鉢増し後(12号鉢から45リットル鉢)
2023年4月上旬

キンカンの鉢増し後(12号鉢から45リットル鉢)
2023年4月上旬
