根来寺は桜や国宝大塔で有名だが、国指定名勝の庭園や覚鑁上人の御廟がある奥の院も見どころ。
根來寺は新義真言宗の総本山で、高野山の真言宗が空海没後空海が定めた厳しい戒律から逸脱した時期に、覚鑁(かくばん)上人(1143年享年49歳)が高野山で原点回帰を訴えたが叶わなかったので根來寺(ねごろじ)に新義真言宗を開創した。
その後、根来寺は強大な勢力を誇っていたが、戦国時代、強大な寺社勢力を危惧した豊臣秀吉によって攻め入れられ、大塔・大師堂などの2、3の堂塔を残して全山焼失した。
その後しばらく復興を許されなかったが、紀州徳川家の外護を受けて、大門・伝法堂・不動堂など主要な伽藍が復興された。
桜の時期を避けてお客さんが少ない冬の時期に訪れたので、静寂に包まれた庭園をゆっくりと楽しむことができた。
また、奥の院を参拝した際には、高野山の奥の院と同じ空気を感じることができた。
以下に、オリジナル写真満載で新義真言宗「根来寺」を紹介。
「根来寺」の動画
[筆者のInstagram動画]
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「根来寺」の住所
〒649-6202 和歌山県岩出市根来2286
「根来寺」の拝観時間
・夏期 4月 ~ 10月:9:10 ~ 16:30
・冬期 11月 ~ 3月:9:10 ~ 16:00
「根来寺」の入山料
・大人(中学生以上)1人:500円
・小人:無料
「根来寺」の歴史
根來寺(ねごろじ)は新義真言宗の総本山。
覚鑁(かくばん)上人(1143年享年49歳)が開創。
覚鑁上人は鳥羽上皇の庇護を受け、大伝法院は大いに隆盛した。
中世根来寺は多くの学僧を抱える「学山根来」であった。
戦国時代、大きな勢力を備えた根来寺は、強大な寺社勢力を危惧した豊臣秀吉によって1585年3月に攻め入れられ、大塔・大師堂などの2~3の堂塔を残して全山焼失してしまった。
その後しばらく復興を許されなかった。
やがて紀州徳川家の外護を受けて、大門・伝法堂・不動堂など主要な伽藍が復興され、また、東山天皇より覚鑁上人に「興教大師」の大師号が与えられた。
日本最大の木造の『大毘廬遮那法界体性塔』(だいびるしゃなほっかいたいしょうとう)通称「大塔」は国宝。
宗祖 覚鑁上人独自の教学をあらわす大伝法堂には、重要文化財の本尊大日如来(だいにちにょらい)・金剛サッタ(こんごうさった)・尊勝仏頂(そんしょうぶっちょう)が安置されている。
本尊三尊像と国宝大塔は興教大師覚鑁が高野山大伝法院に創建したかたちをそのまま根來寺において再興した姿を現し、法灯がうけつがれている。
「根来寺」の大門
根来寺大門(重要文化財)。
根來一山の総門で、1845年に上棟、1852年に落慶された。
左右に仁王像を配し、上層には釈迦三尊と十六羅漢像が安置されている。
令和元年に重要文化財に指定された。









「根来寺」の蓮華院の紅白の梅
蓮華院(れんげいん)は、近世、律乗院と共に根来寺両学頭を務めた根来寺子院だが、現在は新義真言宗には属さない単立寺院。





「根来寺」の駐車場から根来寺大伝法堂までの参道







「根来寺」の大伝法堂
大伝法堂(重要文化財)。
根來寺の本堂で、1824年に棟上、1827年に落慶された。
本尊は大日如来・金剛薩埵(こんごうさった)・尊勝仏頂(そんしょうぶっちょう)の三尊である。
この堂は真言宗の最も大切な修法を伝える道場で「傳法大会」「傳法潅頂」など、僧侶が厳しい修行をする場所である。
令和元年に重要文化財に指定された。




「根来寺」の大伝法堂(本尊大日如来)
重要文化財の本尊大日如来(だいにちにょらい)

「根来寺」の大伝法堂(本尊大日如来,尊勝仏頂,金剛サッタ)
重要文化財の本尊大日如来(だいにちにょらい)・金剛サッタ(こんごうさった)・尊勝仏頂(そんしょうぶっちょう)





「根来寺」の大塔
通称、大塔(国宝)、高さ37m 横幅15m。
正式名称、毘廬遮那法界体性塔(びるしゃなほっかいたいしょうとう)。
国宝指定の大塔内に入ってお参りができるのは根來寺大塔のみ。
この塔は、開祖覚鑁上人が創建した高野山大伝法院大塔を忠実に再現した塔であり、真言密教の教義を形の上で示したものである。
1547年に完成した。
日本最大の木造大塔で、天正の兵火から焼失を免れ、昭和27年に国宝に指定された。



「根来寺」の大師堂
大師堂(重要文化財)。
真言宗を開宗された弘法大師・空海像を本尊として祀っている。
1391年頃に建立された。
天正の兵火から焼失を免れたもので、昭和16年に重要文化財に指定された。





「根来寺」の本坊・国指定名勝の庭園・光明真言院
国指定名勝庭園。
紀州徳川家から拝領した、名草御殿(なぐさごてん)に面した江戸時代の庭園で、自然の滝と池を配した庭園。
昭和33年に国から名勝として指定された。























「根来寺」の奥の院
奥の院
根來寺を開かれた、興教(こうぎょう)大師・覚鑁(かくばん)上人の御廟所(お墓)。
1143年12月12日に入滅された。
高野山の奥の院と同じ空気を感じられる。







「根来寺」の不動堂
「三国一のきりもみ不動」で有名な不動尊を本尊としている。
興教大師覚鑁上人が難に遭われた時に身代わりとなって守られたので、この名がある。
その為、交通安全・厄除祈願の身代わり不動さんとして有名。
この不動堂は17世紀中期に建立され、県下に遺存例の少ない八角堂として重要な建造物。
令和元年に重要文化財に指定された。






「根来寺」の駐車場からの小川の散歩道




