硫黄華を使う事でノンピートモスでブルベリーを育てる事に挑戦!

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ブルーベリー

ブルーベリーは酸性土壌を好むため、ピートモスを使用しない用土で育てることは難しいです。しかし、硫黄華を使用することで、ブルーベリーに適した酸度の用土を作ることができます。

硫黄華は、土壌のpHを下げる効果があります。ブルーベリーを鉢植えで育てる場合は、pH4.3〜5.3の用土が適しています。園芸店で販売されている鹿沼土の酸度はpH6なので、鹿沼土の配合割合をいくら多くしても、pHは下がりません。

そこで、硫黄華を使用することで、ブルーベリーに適した酸度の用土を作ることができます。硫黄華メーカーの取扱説明書は、地植えの場合の説明です。鉢植えの場合は、鉢の大きさや土の量によって異なります。

硫黄華を与えすぎると、用土の酸度が高くなり、苗にダメージを与える可能性があります。そのため、酸度計でpHを測定し、適切な量の硫黄華を与えるようにしてください。

以下に、オリジナル写真満載で酸度調整の結果をまとめました。

鉢植えブルーベリーのピートモスを使わない用土作りの理由

ピートモスは経年劣化するとくったくったに泥化するのと、乾くと縮んで再度水を吸わすのが大変なのと、酸度未調整のピートモスでも産地によってpH値がまちまちなので、いっそピートモスを使わないでブルーベリーを育てられないかなと思ってました。
そんな時に、サカタのタネのホームページで、小尾能敏(日本ブルーベリー協会理事、日本ブルーベリー協会認定栽培士)さんが、下記の様に「ピートモスを使わずに育てよう」と提唱されてましたのでトライしてみることにしました。

小尾能敏さん流
60L鉢*1に対して、鉢土は赤玉土2:鹿沼土4:腐葉土4の混合に、元肥として鉢土60L当たり魚粉*2、油 かす各200g施すことをおすすめします。そして、鉢土60L当たり酸度調整に硫黄華500gとカルシウム補給に硫酸カルシウムを200g 程度、3年に1回の頻度で混ぜ込みます。」

[サカタのタネのホームページより抜粋]

*1:ブルーベリーを一旦60L鉢に鉢増しすると、10年や20年は植え替えする必要がなく、地植え並みに育つとのことなので、筆者は60L鉢を購入しました。近所の園芸店で60L鉢が2,500円しましたので、下記は10個単位ですがそれより安いし届けてくれるのでオススメです。


*2:魚粉は、園芸店に行っても在庫がないことが多く、実際に使うとコバエが発生することがあります。下記の硫酸カルシウムは弱酸性でブルーベリー専用なのでオススメです。


園芸用土の酸度調整剤

硫黄華を使えば園芸用土の酸度調整ができます。

商品名:土壌改革
成分:微粉硫黄99.7%
製造:細井化学工業株式会社

園芸用土の酸度調整剤
園芸用土の酸度調整剤


園芸用土の酸度調整剤「土壌改革(微粉硫黄99.7%)」の取扱説明

園芸用土の酸度調整剤「土壌改革(微粉硫黄99.7%)」の取扱説明書より抜粋

畑作・果樹

(1) pHを1. 0下げるための施用量の目安は10a(作士深10cm)あたり60kgです。

この情報より、用土1リットル当たりのg数を計算すると

10cm=0.1m、1a=10m×10m
10×10m×10m×0.1m=100㎥
1㎥=1000ℓ=>100㎥=100×1000ℓ
1kg=1000g=>60kg=60×1000g
100㎥:60kg=100000ℓ:60000g=100ℓ:60g=10ℓ:6g=1ℓ:0.6g

(2)硫黄分補充のための施用量は10a(作士深10cm)あたり10kg~30kgです。

(3)土壌のpH矯正は1ヶ月~3ヶ月程度の期間が必要です。

水稲育苗の場合

(1)pHを1. 0下げるための施用量の目安は土100ℓあたり75gです。(播種1ヶ月前以上)

鹿沼土の配合を多くして酸度調整できないか考察した結果

ブルーベリーの用土のphは4.3〜5.3が好適範囲とされています。

一般的にいわれているように
・鹿沼土のphが4〜5、
・赤玉土のpHが6で、
・腐葉土のpHが6の場合

「ピートモスを使わずに育てよう」と提唱されている小尾能敏さん流の割合で赤玉土と鹿沼土と腐葉土を配合した場合の初期のphは
1)鹿沼土のphが4だった場合
赤玉土2:鹿沼土4:腐葉土4=
赤玉土1:鹿沼土2:腐葉土2
よって
6+(4+4)+(6+6)=26=>26÷5=5.2
配合用土のpHの初期値=5.2(〇:好適範囲)

2)鹿沼土のphが5だった場合
赤玉土2:鹿沼土4:腐葉土4=
赤玉土1:鹿沼土2:腐葉土2
よって
6+(5+5)+(6+6)=28=>28÷5=5.4
配合用土のpHの初期値=5.4(△:好適範囲からちょっと外れる)

となるはずです。

しかし「一般的に使用される用土は、ブルーベリーに適さない?」で説明したように、実際に大手の2つの園芸店で鹿沼土を購入してphを測定したら6以上でした

つまり、鹿沼土のphが6で赤玉土のpHが6で腐葉土のpHが6なら、配合用土のpHの初期値は6にしかなりません。鹿沼土の配合の割合増やしても酸度の調整ができないってことわかりました。

硫黄華で酸度調整する場合何グラム混ぜたらよいのか考察した結果

鹿沼土の配合を増やしても酸度調整できないので、はじめから硫黄華が必要となります。

[土壌改革(微粉硫黄99.7%)の取扱説明から抜粋]
pHを1. 0下げるための施用量の目安は10a(作士深10cm)あたり60kgです。

この情報より、用土1リットル当たりのg数を計算すると
10cm=0.1m、1a=10m×10m
10×10m×10m×0.1m=100㎥
1㎥=1000ℓ=>100㎥=100×1000ℓ
1kg=1000g=>60kg=60×1000g
100㎥:60kg=100000ℓ:60000g=100ℓ:60g=10ℓ:6g=1ℓ:0.6g
上記より
60ℓの用土をph6から1下げてph5にするには:36g
60ℓの用土をph6から1.5下げてph4.5にするには:48g

園芸用土の酸度調整剤「土壌改革(微粉硫黄99.7%)」の取扱説明」の硫黄華の分量は、その土地の成分や微生物等と硫黄華の相乗効果を期待してだと思います。
「園芸用土の酸度調整剤「土壌改革(微粉硫黄99.7%)」の取扱説明」の通りなら、鉢土60ℓで酸度がpH6だったら、酸度を1.5下げてpH4.5にするには、硫黄華48gもあればいいのだと思います。

でも、園芸店で購入してきた各種用土を鉢植え用に配合した初期の段階は微生物もまだ育ってません。
また、なぜ小尾能敏さんが鉢土60ℓに対して硫黄華500g必要といっているか検証してみました。

実験の為に作った用土

まず、赤玉土2:鹿沼土4:腐葉土4の割合で60リットルの用土を作り、そこに魚粉200gと油かす200gを混ぜました。
次に、作った用土から1リットル取って加えた硫黄華の量で下記の3パターン作りました。
①用土1リットル+硫黄華0g

②用土1リットル+硫黄華1g

ph6の用土を1.5下げて、4.5にしたい場合
「園芸用土の酸度調整剤「土壌改革(微分硫黄99.7%)」の取扱説明」を参考にすると0.6g/ph×1.5ph=0.9g=>約1g

実験の為に作った用土

③用土1リットル+硫黄華8g
小尾能敏さん流は鉢土60ℓ:硫黄華500g

8gの根拠
小尾能敏さん流
鉢土60ℓ:硫黄華500g=1ℓ:Xg
X=500g÷60ℓ≒8.3g/ℓ

実験の為に作った用土

使用した土壌酸度計

✔シンワ測定株式会社製:土壌酸度(pH)計A(品番72724)
✔特徴:電池不要、土壌酸度測定範囲pH4.0~pH7.0

使用した土壌酸度計
使用した土壌酸度計

硫黄華で酸度調整した結果

鉢植えブルーベリーに水を与える際に作った用土にも同様に水を与えてきました。

 

用土の種類 ①用土1リットル+硫黄華0g ②用土1リットル+硫黄華1g ③用土1リットル+硫黄華8g

2022/08/21

(配合当日)のpH

6.1

5.8

5.8

2022/09/11

(配合20日後)のpH

6.2

5.5

4.2

2023/01/11

(配合80日後)のpH

6.1

6.0

5.1

園芸店で購入してきた赤玉土と鹿沼土と腐葉土を配合したばかりの用土にはまだ微生物がいません。
硫黄華は微生物作用により酸化され、 硫酸になってからpHが低下するので、効果が現れるのに、春から夏の期間でも2、3か月かかるとされてます。
ですから測定初日のpHが高いのはそのせいで、園芸店で販売されてる用土のpHは6なの、初日が皆pH6前後なのはそのためです。

結論は、地植えの場合は硫黄華が土にしみ込んで定着して取扱説明の通りの量で効果を発揮します。

鉢植えの場合は小尾能敏さんの鉢土用の配合(赤玉土2:鹿沼土4:腐葉土4の混合)だと水はけが良すぎて、水やりで硫黄華が日々流出していくことを考慮する必要があり、取扱説明の通りだと足りませんよって、鉢植えの場合かつ小尾能敏さん推奨の配合用土の場合(赤玉土2:鹿沼土4:腐葉土4の混合)、配合する硫黄華の量は小尾能敏さんが60L鉢のブルーベリーに3年に1回与える量(硫黄華500g)で良いのだと判断しました。

北野家はこの判断を基に、60鉢強の12号鉢のブルーベリーを60L鉢に鉢増しする際、全ての鉢に硫黄華を500g与え元気に育ってます。

この結果は北野家が購入した用土かつ鉢植えの場合の測定結果です。
ブルーベリーの酸度調整は、「ハイブッシュとサザンハイブッシュは必要だが、ラビットアイは必要無い」という生産者さんもいらっしゃいます。
硫黄華を与える量は地植えと鉢植えでは違いますので、自己責任でお願いいたします。

ご自分で硫黄華を配合した用土は酸度が高すぎて苗にダーメージを与える場合がありますので、実際に酸度計でphを測定してから使用することをオススメいたします。


まとめ

・ブルーベリーの苗が、1mを超えたら60Lの鉢で地植え並みに育てられます。
・ブルベリーの用土の配合は、60L鉢に対して、鉢土は赤玉土2:鹿沼土4:腐葉土4の混合にします。つまり、赤玉土小粒12L、鹿沼土小粒24L、腐葉土24Lにします。
・元肥として鉢土60L当たり、硫酸カルシウムのダーウィン5050を200g、油粕を200gを混ぜます。
・酸度調整に、鉢土60L当たり硫黄華500g混ぜます。

・3年に1回、硫黄華500gとダーウィン5050を200gと油粕を200g与えます。

筆者は、上記の配合で現在、ハイブッシュ、サザンハイブッシュ、ラビットアイ、ハイブリットのブルベリーを60鉢以上育ててますが皆元気です。

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